dokusyomemoのブログ(読書感想)

ぼちぼち読んだ本の感想を書いていきます。

「超越と実存」

はじめに、注意点として、本書を読むには、仏教史までとはいわずとも、本書に記載された思想の大枠くらいは知っておいたほうが読みやすいと思います。本書は、ゴータマ・ブッダから道元までの仏教思想を、「無常」観念の展開とともに追ったもの、とひとまず…

「ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か」

・2014年の初めに、ハイデガーが「黒ノート」と称していた手記が出版された ・その内容は現在の水準からすれば「反ユダヤ主義」としかいいようがなく、従来のハイデガー像は変更を余儀なくされている ・反応としては、これをもってハイデガーの思想全体…

霊柩車の誕生 井上章一

本書は日本葬送史について、葬送儀礼の変化に焦点を当てながら、霊柩車の出現までを詳述した書である。一章では宮型霊柩車に焦点があてられる。その意匠は「大衆がつくりだしたキッチュ」であるとし、それがそのデザインに対するエリートと大衆の評価のずれ…

代表の概念 ハンナ・ピトキン

・本書の目的本書の目的は「代表とは何か、どのようなものか、という問いを「代表」という概念が何を意味するかという問いと完全に切り離すことはできないのである。本書は、後者の疑問に答えることで、前者の疑問に取り組もうとするものである」2p具体的に…

世界神話学入門

世界神話学とは、神話の世界的な広がり、類似についての学問。 マイケル・ヴィツェル教授は、世界の神話は大まかに、古層であるゴンドワナ型神話と、新層であるローラシア型神話の二つに分類できる、という仮説をたてた。さらに、この神話モチーフの伝播・広…